気が付くと約2ヵ月ぶりの更新。僕はまだ生きています。
ドラマ「結婚できない男」の紹介もいよいよ最終話。
僕がこの「結婚できない男」というドラマを飽きもせず何度も周回する理由は、この最終回での ”あるシーン” を見るためでもある。
ここでは紹介していないが、実はこの一つ前の第11話で起きたある事件がきっかけでみちるは桑野さんの事が好きになっていた。
桑野さんの家を訪ねてその気持ちを何とか伝えたみちるであったが、ペットのKENちゃんの事だと勘違いされてしまい、告白は失敗に終わってしまう。
早坂先生から話を聞いて失敗した事に気付いたみちるは、桑野さんとの間を取り持ってくれるように早坂先生に依頼する。
渋々引き受けた早坂先生だったが、いざ桑野さんを目の前にするとなかなかその事を切り出すことができない……
桑野さんへの自分の気持ちに悩み、終いには仕事も手につかなくなる始末。
理想のタイプとは正反対、その上性格や考え方も合わないはずなのに…
でも振り返ってみれば、本人がいないところでいつも桑野さんの話題を楽しそうに話し、文句を言いつつも何だかんだ桑野さんのお願いに付き合ってあげたり…
会えば嫌味の言いあいや喧嘩ばかりだけど、それは仲が悪いというよりも、まるで「子供同士がお互いに好きな相手にちょっかいを出している」ようで、傍から見ると微笑ましくすらある。
こうしてドラマで客観視してると分かるんだけど、実際は自分が当事者になってるとこういう ”相性の良さ” みたいなものって気付く事ができないんだよなぁ。
やがてみちるの後押しもあって、早坂先生は母親の退院を見届けに来た桑野さんに自分の気持ちを伝える……
「ボールは投げました...」
そう言い残して去って行く早坂先生の姿を見つめる桑野さん。
果たして桑野さんが出した答えとは…
そして僕がこのドラマを何度も観る所以たる1番大好きなシーンを迎える。
買い物帰りに偶然出会った桑野さんと早坂先生……
それぞれのメニューはお互い大好きなステーキとロールキャベツ。
今日も楽しそうに相手のメニューにちょっかいを出しながら、2人は並んでゆっくり歩く。
やがて分かれ道になり、別れを告げて帰ろうとする早坂先生を桑野さんが引き留める。
本当はまだ一緒にいたいのに、それを伝えることが出来なくて違う口実で自分の家に誘おうとする桑野さんを見ると、いつも優しい気持ちになれる。
桑野「あの…圧力鍋あります?」
早坂「あぁ、今ないんです。古いの捨てちゃって。」
桑野「僕んちにはありますよ。ロールキャベツなら、10分でできる。」
早坂「…そうですか。」
桑野「……」
それより先の言葉が出てこなくて、もどかしそうな桑野さん。
この後の「素直になれない」2人の「素直じゃない」やり取りがすごく良い。
早坂「もしかして…うちに来いって言ってますか?」
桑野「…いや、まぁ。あなたが ”どうしても” と、おっしゃるなら。」
早坂「 "どうしても" なんて言いません。」
桑野「……」
早坂「でも…あなたが ”どうしても” って言うなら、行ってもいいですよ。」
桑野「じゃあ、来てください… ”どうしても”。 」
早坂「…はい。」
こうしてこの場面の2人の笑顔が見たくなって、僕は「メビウスの輪」のようにまた1話からこのドラマを見返すことになるのである。