筆者はPCR検査という手法に関して、非常に重要な問題点があるという。
PCR検査はウイルス遺伝子のわずか0.3%程の断片を増幅し検出する方法で、このわずかな断片に反応するといわゆる”陽性”になる。
ここで思い出して欲しいのは、「ウイルスが体内に入った」だけでは、まだ”感染”は成立していないということ。
「体内に入ったウイルスが細胞膜と融合し、そのウイルス遺伝子が細胞内に侵入した時」に、初めて”感染”が成立する。
しかし、PCR検査の場合はわずかでもウイルスの断片があると反応するため、ウイルスが体内に入っただけで細胞内にウイルス遺伝子が侵入してない(=感染していない)場合や、高い免疫力によって感染力を既に失ったウイルスの残骸にも反応してしまう。
また、6章によるとPCR検査には習熟したスタッフによる操作が必要とされ、感度や特異度の点でも結果に差が生じる場合があるという。
つまり、「PCR陽性者=感染者」であるとは限らない。
だが、現在は「PCR陽性者=感染者」として感染者数を発表しているため、普段私たちが気にしている”感染者数”は、必ずしも感染の実態を反映しているものではないということになるのだ。
それにも関わらず、日頃のテレビやマスコミなどの煽りもあって、人々の間では「PCR陽性=コロナ感染者」という”誤解”がひとり歩きしてしまっている。
以上のことを踏まえて、私たちはどう対応していけばいいのか。
筆者は”感染者数”よりも”死者数”に着目すべきだと述べている。
”感染者数”を絶対視すべきではありません。私たちは、毎日発表される”感染者数”に右往左往せず、一応の目安程度に考えて対応することが大切です。
一方、死者数は解釈などによって影響されにくい値であり、これに関しては実数値に近いと考えてよいでしょう。
今はスマホやパソコンで様々な情報が簡単に手に入る時代。
だからこそ溢れる情報に惑わされず、本当に必要な情報を取捨選択し、どう行動すべきかを考えていく事が大切なのかもしれない。