サウナで「ととのう」ことには多くのメリットがある。
筆者も「一石八鳥」と豪語するほどのサウナのメリットの中から、いくつか紹介したい。
1.脳疲労が取れて頭がスッキリする
体や心にも疲労があるように、脳にも疲労は蓄積する。
人間の脳はぼーっとしている時でも実は様々なことを考えてしまっていて、それだけで脳のエネルギーの70%~80%が奪われている。しかもこれは脳が自動的に考えてしまうので、人間の意志の力ではどうすることも出来ない。
逆に仕事や作業などで何か意味のあることをして脳を使っても、エネルギーはたったの5%ほどしか消費しない。
本書では「DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)」と「CEN(セントラル・エグゼクティブ・ネットワーク)」という2種類の略語が出てくる。
これは脳回路の種類のことで、簡単に言えば
DMN = ぼーっとしていて脳が意識的に活動してない時に勝手に働いてしまう脳回路
CEN = 集中して作業を行う時に活性化する脳回路
ということ。
つまり、このDMNの消費量を減らすことができれば、脳のパフォーマンスを最大限に発揮できるわけだが、こればっかりはどんなに頑張っても意志の力ではどうすることも出来ない。
ここでサウナの出番である。
サウナに入ると人体が過酷な環境に適応しようと強制的に思考を停止する。
するとDMNのプロセスも強制的に停止するためエネルギーの消費量が減り、余計な思考による脳疲労を防ぐことで、頭がスッキリして集中した状態が維持しやすくなる。
2.感情的にならなくなる
何かとストレスを抱えやすい現代。
皆さんも普段の生活の中で、思わず感情的になってしまうことはないだろうか。
でもそういうことに限って後になってみるとそんなに大したことじゃなかったりして、思わず後悔したり恥ずかしくなったりするもの。
自律神経は ”交感神経というアクセル” と ”副交感神経というブレーキ” に分かれていて、互いが相反する働きをしながら上手くバランスを取っている。
ところが多忙な仕事に追われてストレスが多いと、交感神経のアクセルばかりどんどん強くなってしまい、バランスが乱れて些細なことでもイライラしやすくなってしまう。
はい、ここでまたサウナの出番です。
実はサウナには、感情をコントロールしやすくなるという効果もある。
サウナに入って「ととのう」と、"人体の生命維持システム" である自律神経がリセットされて、交感神経と副交感神経のバランスが整えられる。
また、自律神経は筋肉と同じように刺激を受けると鍛えられていくので、日常生活においても交感神経と副交感神経の切換えがよりスムーズになり、メンタルが安定しやすくなっていく。
3.睡眠をコントロールできるようになる
サウナに入ると短時間で深い睡眠を得られるようになり、日中の眠気も防げるという研究結果があるという。
現時点では残念ながら医学的な詳しいメカニズムはまだ解明されていないそうだが、これについて筆者は「脳が肉体がものすごく疲れた」と勘違いするからではないか、との見解を示している。
サウナに入ると人体の "生命維持システム" によって、私たちの身体には短時間の間に目まぐるしい変化が起きる。
血流量の増減、脳内ホルモンの分泌、体温調整、大量の発汗…
もちろん実際に激しい運動をするわけではないので肉体に疲労物質は溜まらないが、サウナによって起きた体の変化を脳が勘違いして、「ちゃんと体を休めなさい」とシグナルを出している可能性があるってこと。
自分は「 "G" の次に "朝" が苦手」というほど、とにかく朝の目覚めが悪い。
出勤前の朝は「グラビデかけられてんのか」ってくらい、途轍もなくダルさが体全体にズーンとのしかかってきて、しばらくうずくまって動けない。
しかしサウナで「ととのった」次の週は、なぜか驚くほどに朝の目覚めがすこぶるいいのだ。
いつも何重にも用意しているアラームも1つ目が鳴りだす前に勝手に目が覚めるしグラビデも喰らわない。
これもおそらくサウナで「ととのった」ことによって、より深い睡眠が得られているからなのだろう。
まだまだ多くの効果があるサウナ。
今回はちょっと書ききれんので、続きは次回の記事で書くことにする。