生きてはいない、ただ死んでないだけ

ただ「死んでない」だけの誰得なブログ

原点回帰2

新たな獲物を見つけた ”捕食者” がゆっくりと立ち上がる…

さっきまで夢中で喰らい付いていた ”食事” にはもはや目もくれない。

 

どこか気怠そうな…

それでいてしっかりとした足取りは、着実に新たな獲物に歩みを進めていた。

 

この動き、声、雰囲気…

そこにいたのは紛れもなく、あの時の少年に衝撃と恐怖を与えた ”それ” だった。

 

あの恐怖がバイオハザードに再び帰ってきた。

久しぶりの感覚と嬉しさに思わずコントローラーを握る手に力が入る。

 

思わず後ずさりしながらも、L2ボタンを押して銃を構える。

 

ゆらゆらと力なく揺れる頭部に狙いを定め……

 

引き金を引く…

 

乾いた銃声と共に血飛沫が飛び、”それ” の上体が大きく後ろにのけぞった。

 

倒れる…

 

バイオハザードを長くプレイした者なら誰もが覚える、この感覚…

やり込みで幾度となくタイムアタック、Sランククリアに挑む中で身体が覚えた、いわば生き残るための「確信」。

 

ボタンから指を離し、レオンが構えを解いた…

 

しかし、その「確信」はすぐに「過信」に変わる事になる。

 

倒れたはずの ”それ” は体勢を立て直し、さらにこちらに近づいて来る。

 

慌ててボタンを押し、銃を構える。

 

近づいてより鮮明になった頭部に狙いを定め、もう一度引き金を引く。

 

 再び銃弾がその頭部を捉える…

 

着弾の衝撃で上を向いたものの、”それ” がもう歩みを止めることはない。

 

慌てて撃った三発目が外れる。

 

動揺して元々下手だったエイムが余計に定まらない…

 

”それ” がゆっくりとこちらに手を伸ばす。

 

やられる…

 

無我夢中で撃った4発目が頭部をかするように命中し、ようやく後ろに倒れた。

 

「倒れた…」

 

安堵の吐息と共に言葉が漏れる…

 

奥へと進み、倉庫の鍵を入手する。

クイックターンのコマンドを確認し、鍵のかかった扉へ向かった。

 

4発消費して弾は残り6発…

ヘッドショットで3発となると、多くても倒せるのは2体……

 

そんな考えを巡らせていた時、ヘッドホンから聞こえた音に思わず足を止めた。

 

聞き覚えのあるかすれたうめき声……

 

「難易度STANDARDなのに…そんなバカな…」

 

倒したはずの ”それ” は、再び目の前に立っていた。

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倒しても倒しても……