第二章で朝倉選手は、勝利の秘訣は「臆病に考える」ことだと述べている。
試合が決まるということは対戦相手が決まるということなので、その相手に勝つことを目的として練習します。
その際にいつもしているのは、相手を過大評価するということです。
本当の実力は、正直、試合の映像を見ればわかってしまうのですが、それでもそれより相手を強く見積もっておきます。そうすると、試合後に「こんなものか」と思うのですが、その状態こそが勝利の秘訣です。
(中略)
人間というのは甘い生き物なので、何かを達成しようとした時に、そこをゴールに設定しても届かないんですよ。そこで目標をちょっと高めに設定しておくと、現実でしっかりゴールすることができる。
(中略)
こうしてみると、本当の敵は対戦相手ではなく、慢心や油断を誘ってくる自分自身の弱さだということになりますね。
いつも朝倉選手は試合後のインタビューなどでも、自信を持った発言をしている事が多いので、そういう考えを持っているのは個人的に意外に感じた。
ただそういった発言も、より強い相手を想定した上でハードな練習を自らに課し、それを乗り越えたという自信があるからこそなのだろう。
残念ながら自分には、具体的に成し遂げたい事や目標といったものはない…
だけど、もし仕事とかダイエットとか貯蓄とか、とにかく何か一つでも達成したいことがある人は、実際の目標よりも高めに設定してそこを目指してみるという方法も試してみてもいいのかもしれない。
そして戦う相手は「会社の同僚」でも「たるんだ脂肪」でも「お隣の奥さん」でもない…
いつだって本当の敵は「自分自身の弱さ」なのだ。