昨日は日曜だったが、いつもの如く予定もやりたいこともなかったので、外の雨をただひたすら眺めていた。
部屋のベランダから見える電線にぶら下がった水滴が中々落ちず、段々と大きく膨れ上がっていく様が何だか面白くて、膨らんでは落ち、また膨らんでは落ちていくループをただぼーっと眺め続けていた。
そのうち水滴にも飽きたので、部屋に戻ってネットサーフィンしていると…
なんと、「まだ結婚できない男」がPrime見放題の対象になっているではないか。
コロナによる ”自粛” 疲れならぬ ”マスク” 疲れに加え、梅雨による連日の大雨も重なってどんよりしていた心に久しぶりに晴れ間が訪れた。
「まだ結婚できない男」は昨年の2019年にフジテレビで放送されたドラマで、2006年に同系列で放送されていた「結婚できない男」の続編にあたる。
主演の阿部寛さん演じる「結婚できない男」・桑野信介が、様々な人たちと出会い、関わっていく中で結婚を模索する日常をコミカルに描いた作品である。
元々自分は阿部寛さんが大好きだった事もあり、好きな俳優さんが主演するドラマというのがきっかけで高校生の頃に見始めたのが、初回シリーズとなる「結婚できない男」だった。
高校生が話題にするドラマというとやっぱり「学園モノ」と呼ばれるジャンルになる訳で、自分の頃だと「野ブタ。をプロデュース」とか「イケメンパラダイス」とかが流行っていた。
ただ自分はあんまり「学園モノ」には当時からそんなに興味がなかったので、そういった話題にもついていく事が出来なかった。
高校生というのは多感な時期でもあり、そういう些細なことでも1度ついていけなくなると、あっという間に見えない壁が出来てしまう。
そうこうしているうちによく話をしていた友人も他のグループへ混ざっていき、自分は結局どのグループにも混ざることができなかった…
教室で感じる謎の孤独感…
その孤独は昼休みという ”軟禁” によってさらに際立つことになる…
出たくなっても出られない ”ロックダウン” 状態…
教室から見える開けっぱなしの正門が恨めしく思えた…
そんな悲惨な高校時代に出会ったのが、「結婚できない男」だった。
ストーリーも勿論だが、桑野さんの ”寂しさを感じているけど素直になれないところ” とか性格の偏屈なところも何だか自分に似ていて、すっかり引き込まれてしまった。
阿部さんの演技も素晴らしく、ちょっとした仕草とか動きも面白くて何度も笑った。
気が付くと、週に一度の桑野さんに会えるその時間が楽しみで仕方がなかった。
その楽しみにどれだけ心を救われたことか…
クラスマッチで黄色い声援を浴びる事もなく、学園モノでクラスの話題に混じることも出来ず、ひと夏の「体育祭マジック」とは程遠い ”大道具担当"で過ごしてきた自分にとって、この「結婚できない男」というドラマは高校時代の青春そのものと言っても過言ではないのだ…
それくらい非常に思い入れのある、大好きなドラマである。
あれから早14年…
僕も順調に「結婚できない男」への道を歩んでいる。