皆さんは「サ道」というドラマを知っているだろうか。
「サ道」はネプチューンの原田泰造さん演じる主人公が実際に存在する様々なサウナを巡るという内容なんだけど、そのドラマの中で「ととのう」という演出がある。
サウナに入った後、水風呂に浸かり、屋外の風に当たって外気浴をしていると、しだいに視界がフニャフニャとしてくる。
やがてそのフニャフニャが大きくなってくると、
「ととのった~~~~」
と言って、出演者たちが恍惚に満ちた表情を見せるというもの。
サウナにあまり入ったことがない人が見ると、「???」となりそうな演出である。
もちろんドラマなので視聴者に伝わるように表現してるっていうのもあるけど、サウナで「ととのった」経験がある人なら、何となくこの演出は分かるんじゃなかろうか。
今はこんなご時世なので随分ご無沙汰になってしまったけど、自分もそれまではサウナ好きの友達とよく温泉に行ってはサウナに入って、この感覚を味わっていた。
他の人の「ととのう」がどんな感覚なのかは分からないけど、自分の場合は「何だか頭がぼーっとする感じ」とでもいうのだろうか…そんでもって何か違う次元にイっちゃって、まるで自分がこの世からいなくなってしまったような感覚になる。
熱っぽい時のとか、立ち眩みのそれとも違う。
ん~、ただこの感覚を言葉で表現するのが、すごく難しい…
確かに頭はボーっとしてて何も考えてないんだけど、その何も考えずに空っぽになった脳みその状態が分かるくらい妙に冴えていて、今まで感じていたはずの色んな感覚がより鮮明に感じるのだ。
流れる温泉の音、屋外に見える草木の色、体を這っていく風、周りを歩くおっさんの揺れるイチモツの動きまでくっきりと感じ取ることができるほどだ。
まだその頃は「ととのう」っていう概念を知らなかったけど、今思えばこの何だか頭がぼーっとして、この世のことを ”何も考えないでいられる感覚” が気持ちよくて、それがクセになって通ってたんだと思う。
しかし科学技術が進歩した今、自分が何となくクセになっていたこの感覚は「ととのう」という概念で科学的に証明されているっぽい。
今回は「医者が教えるサウナの教科書」より、ストレス社会と言われる現代を生きる皆さんの味方になるであろうサウナの効力、魅力、そして「ととのう」の正体について書いていこうと思う。